新婚の若夫婦、〇〇に住む

結婚してお嫁さんと初めて一緒に暮らす。

人生の中でTOP5に入るビッグイベントではないでしょうか。

あなたなら、どんな新居をイメージしますか?

今回の挑戦者は、平山拓哉さん(27)花香さん(24)ご夫妻。

10年間も空き家だった父の実家に住むことを選択されました。

ここに暮らすことを決めた当時、庭には老朽化した倉庫や池が、築40〜50年経った
家の中は洋服や置物などが沢山あって
片付けが大変だったそうです。

鳥の剥製や大きな切り株の置物もあったとか。

新築したりアパートを借りることは考えなかったのでしょうか?

「当初は、住んでいたアパートで一緒に暮らすことを想像していたんですが、義父から
空いている実家に住んではどうかと提案を受け、譲り受けることにしました。」

提案を即決で受け入れた拓哉さんでしたが、初めて見た時には現状に驚かれたとのこと。

「せっかく一軒家に住めるなら自分好みに手直ししていこう」

と、休日にコツコツと掃除や片付けを行い、草を刈って倉庫を取り壊し、池を埋め、
3ヶ月かけて入居されたそうです。

入居後も、自分達の暮らしに合わせて少しずつ改善しているそうで

「湯船の方はすごい勢いで水が出るのにシャワーがチョロチョロしか出ないから
設備屋の友達に直してもらいました」

と、2人で笑いながら話せる居心地の良い空間が出来上がっています。

暮らし始めて半年が経ちますが、住み心地はいかがですか?

「以前住んでいたアパートでは、音に気をつけて住んでいました。」

諸事情あって1度だけ夜間に洗濯した翌日、不動産屋さん経由でお叱りを受け、
これまで以上に音を出さないように暮らしていたとのこと。

「気を使いすぎず、のびのびと暮らせるのが良いと、しみじみ思います。」

「リビングと寝室が別で、自分の部屋もあって、キッチンが広いのも良いです。」

拓哉さんは元料理人なので、花香さんに手料理を振舞うことが楽しいそうです。

新婚夫婦の幸せな生活が伝わります。

「ゆくゆくは、庭でBBQや家庭菜園をしたりDIYにも興味があるので自分達の
住みやすい
ように変えていきたい。」

「今は、リビングの床をフローリングに変えようと思ってます。」

団地の一角にあるのですが、庭がかなり広い。
自動車10台分くらいの平坦なスペースなので自由度が高く、楽しそう。

その反面、草刈りが大変そうですね。

「取材を機に、午前中から草刈機をやって防草シートを張ったんですが、
ご近所の方々が見に来ていました。」

庭がきれいになって褒められたそうです。

今まで景観があまり良くなかった場所に誰かが暮らすことで、自然と綺麗になる。
ご近所の方々も喜ばれたことでしょう。

また、常会(町内会)にも加入し、地域清掃などに参加してコミュニケーションを
図って
いるそうです。

充実した空き家活用暮らしをされているお2人に、あえて伺ってみました。

今の暮らしの満足度は、いかほどでしょうか?

「10点満点中で9点。残りの1点は、建て付けが悪いことですね。」

「性格的に潔癖な部分もあり、キッチンの老朽化やシャワーの水圧など嫌なところも
あったんですが、掃除や手直しをしていくうちに愛着が湧いてきました。自分達の
好きなようにできるのが
一番良かったかもしれない。」

アパートでなく、新築でもなく、思い出が詰まった家を譲り受けたからこそ。
何よりも10年来の空き家をコツコツと手直しながら暮らしているからこそ、
夫婦の中に「大切な何か」が確実に生まれ、育まれているように感じました。

多少の困難があっても力を合わせて乗り越え、改善していくお二人のスタイルが
格好良く
印象的でした。


※当記事は、NPO法人ふるさと空き家相談・サポートとの共同企画として取材を行いました。
   よろしければ、NPO法人ふるさと空き家相談・サポートによって作成された記事もご覧ください。